| ハートレイ |
(目が点になっている) |
| テキス |
「落ちて……来た?」 |
| リクシュ |
「ハイ、落ちてきました。木の上から」 |
| ハートレイ |
「上から、ですか……」 |
| リクシュ |
「そうです。落ちてきたんです……突然」 |
| テキス |
「えーと、そりゃ〜」 |
| ハートレイ |
「また、あの子は……(頭を抱える)」 |
| リクシュ |
「僕も最初はまさか王女だとは思いませんでした。ルリアも名乗らなかったし」 |
| テキス |
「そりゃー、思わねーよな、普通は」 |
クイント |
「でも、なんでまた木の上に?」 |
| ハートレイ |
「大方、スエレナから逃げていたんでしょう」 |
| リクシュ |
「はい、そんなようなことを言っていました。だから、隠れるために木の上に上ったんだって」 |
| テキス |
「ほー」 |
| リクシュ |
「そこへ僕が来て笛を吹き始めたでしょう? 聞いているうちに眠くなっちゃったんだそうで……」 |
| クイント |
「手を滑らせて落ちたんだな……」 |
| リクシュ |
「(感心したように)すごいねー、よくわかったね、クイント」 |
| クイント |
「お前な……」 |
| リクシュ |
「そのあと大変だったんだから。ものすごーくルリア、怒っちゃって。『あなたが笛なんて吹いてるからいけないのよっ』って……」 |
| テキス |
「王女らしいな……」 |
| ハートレイ |
「それは、災難でしたね……」 |
| クイント |
「――お前とルリアらしい出会いだな」 |
| リクシュ |
「そんなこと言わないでよ、クイント……」 |
| テキス |
「色気もなにもあったもんじゃねーな」 |
| リクシュ |
「そんなもの、僕たちに求めないでください……」 |
| ハートレイ |
「我が妹ながら、なんともはや……」 |
| テキス |
「で、それ以来のつきあいってわけか」 |
| クイント |
「つきあい、ってよりは――」 |
| リクシュ |
「はぁ〜(ため息)そっから先は言わなくてもいいよ、クイント」 |
| クイント |
「ご苦労だな、お前も」 |
| リクシュ |
「もうなれちゃったよ……いろんな意味でね」 |
| ハートレイ |
「悟りきってしまいましたね」 |
| リクシュ |
「じゃあ、テキスさんとルリアの出会いは?」 |
| クイント |
「そんなの、城の中でちゃんと紹介されたんじゃないのか?」 |
| テキス |
「普通なら、な……。普通ならそうなるんだろうな」 |
| ハートレイ |
「テキスの父上のお立場を考えると、そうなるのが普通なのでしょうね」 |
| クイント |
「違うんですか?」 |
| テキス |
「違ったな」 |
| ハートレイ |
「リクシュと同じようなものですよ……」 |
| リクシュ |
「落ちてきた?」 |
| テキス |
「落ちてきはしなかったけどな」 |
| ハートレイ |
「似たようなものでしょうね」 |
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