| ハートレイ |
「街でちょっとしたイベントがあったんです。
ケーキをどれだけたくさん食べられるか、というものだったんですが」 |
| リクシュ |
「ケーキ…まさか、ルリアも出たの?」 |
| ルリア |
「まさか! ケーキはそんなにがつがつ食べるものじゃないでしょ。ゆっくりと1つ1つ味わうのがいいの。
第一、そんなに食べられないわよ、私」 |
| クイント |
「確かにな…」 |
| スエレナ |
「それにテキスが出場したんです」 |
| リクシュ |
「で、優勝しちゃったとか?」 |
| テキス |
「さすがに俺でもそこまではできなかったな。1位のヤツは30食ってたし」 |
| ハートレイ |
「――よくいいますよ。いい勝負だったじゃないですか」 |
| ルリア |
「私、びっくりしちゃったもの」 |
| テキス |
「あのなー…。いいか、真の酒飲みってのは、甘いものも辛いものも食べられなくちゃいけないんだ!」 |
| ハートレイ |
「何を突然…」 |
| スエレナ |
「全然関係ないじゃないですか」 |
| テキス |
「俺はな、「真の酒飲み」になるために日々精進を…」 |
| ハートレイ |
「何バカなこと言ってるんです。大体なんですか、その「甘いものも辛いものも」って」 |
| テキス |
「――作者の友人が、大学の先生から言われたんだと」 |
| リクシュ |
「へえ…すごいねえ、ルリア!」 |
| クイント |
「何を感心してるんだ、おまえは…」 |
| ルリア |
「そういうクイントはどうなの? 甘いものがすき?それとも辛いもの?」 |
| クイント |
「(考え込んでいる)――…」 |
| リクシュ |
「そんなに悩むこと?」 |
| クイント |
「うーん……わからん」 |
| ルリア |
「え?」 |
| クイント |
「別に辛いものだろうが、甘いものだろうが、食えればいい、ってのが本音だな」 |
| リクシュ |
「でも、あるでしょう? ケーキのほうがすき、とかスパイスたっぷりのお料理のほうがいい、とか」 |
| クイント |
「じゃあ…うまければいい」 |
| ルリア |
「またそんなことを……」 |
| クイント |
「いや、おれ、今までそんなこと考えたことなかったからな。
とりあえず食べられるもんは、何でも食べておけ、って感じだったから」 |
| リクシュ |
「クイント…」 |
| クイント |
「おい、そんな顔するなって。別にそれはそれでいい思い出だしな。
今は…ああ、そうだ。あれは好きだぞ。ほら、以前ルリアが持ってきてくれたクッキー…」 |
ルリア&
リクシュ |
「えっ!?(絶句)」 |
| テキス |
「なんだなんだ? 何を持っていったんだ?」 |
| クイント |
「なんでも特製だとか言って、不思議な味のものを持ってきてくれたんです」 |
| ルリア |
「(恐る恐る)あれが…おいしかったの?」 |
| クイント |
「ああ」 |
| ハートレイ |
「あれ? なんです、ルリア」 |
| ルリア |
「兄様専用クッキー」 |
| スエレナ |
「え?(絶句)」 |
| ルリア |
「あれ。兄さましか食べられないクッキー」 |
| ハートレイ |
「なんだか失礼なものいいですね…」 |
| リクシュ |
「あれが…おいしかったの…ってことは…クイントって…」 |
| ルリア |
「(指をさし)ずばり、辛党よ、あなたはっ!」 |
| クイント |
「え?」 |
| ルリア |
「だって、あのクッキー、めちゃくちゃ辛党の兄さまのためにスエレナが焼いたものよ。ふつーの人間には食べられないわっ!!」 |
| テキス |
「ってか、なんでそんなもんを持っていくのかね…」 |
| ルリア |
「しかたないじゃない、作りすぎちゃったんだもの」 |
| スエレナ |
「でも、持っていっても食べられる人なんて…」 |
| ルリア |
「(けろり)だって、おもしろいじゃない」 |
| ハートレイ |
「この子は…また…(頭を抱える)」 |
| リクシュ |
「おかげで、ひどい目にあいました…」 |
| テキス |
「――そんなにひどい味なのか?」 |
| スエレナ |
「失礼なこと言わないでください。激辛なだけです」 |
| ハートレイ |
「おいしいですよ」 |
| |
|
| ←BACK |
|