| ルリア |
「兄様〜っ! クイント〜!」 |
| ハートレイ |
「どうしたんです?そんなに急いで。」 |
| クイント |
「――転ぶなよ……」 |
| ルリア |
「え?(足下の石につまづく)」 |
| クイント |
「(とりあえず手助けしてやる)言うそばから転ぶなよ……」 |
| ルリア |
「あー、あぶなかった。ありがとね、命の恩人だわ。」 |
| クイント |
「大げさな…」 |
| ルリア |
「大げさじゃないわよ、チョコの命の恩人クイントに、はいあーげるっ(と、きれいにラッピングされたチョコを差し出す)」 |
| クイント |
「チョコ?」 |
| ルリア |
「はい、これは兄様の分。」 |
| ハートレイ |
「おやおや、何なんです?改まって。」 |
| スエレナ |
「(ようやく追いついて)もう、ルリア様ったらっ。」 |
| ルリア |
「おそーい、スエレナ。」 |
| スエレナ |
「で、どうしました?」 |
| ルリア |
「兄様とクイントにはあげたよ。」 |
| ハートレイ |
「で。何なんです、これは……。今日は私の誕生日でもありませんし、」 |
| クイント |
「オレも違います。」 |
| スエレナ |
「ええ。なんでも、管理人の住んでいる国では、2月14日を「ばれんたいんでー」とか言うらしくて。女性から男性にチョコを贈るしきたりだとか。」 |
| クイント |
「しきたり……チョコをあげるのが、ですか?」 |
| ハートレイ |
「法で、ですか?」 |
| スエレナ |
「さあ?」 |
| クイント |
「――ここも変わった国だとは思ったが、すさまじく変わっている国がまだまだあるんだな……」 |
| テキス |
「――お取り込み中、スマンが、それでオレにはくれないの?」 |
| ルリア |
「あ、いたんだ、テキス。」 |
| テキス |
「いたんだ、はねーだろうに。ひでえなあ、王女は。
3日前にはクッキーもって行ってやったのになあ(ルリアの持つバスケットに手を伸ばす)」 |
| スエレナ |
「(ペシリと手を叩く)何やってるんです。行儀が悪いですわね。」 |
| ルリア |
「――そんなにほしい?」 |
| テキス |
「――ほしい。」 |
| ルリア |
「(にっこり笑って)ふーん、テキスって甘いものは好きだけど、チョコは嫌いじゃなかったっけ?」 |
| テキス |
「女の子がくれるチョコは別なの。」 |
| ルリア |
「ふーん……」 |
| ハートレイ |
「見苦しいですよ、テキス。たとえあなたがもらえなかったとしても、ちゃんと私の分を分けてあげますから。」 |
| スエレナ |
「ハートレイ様、そこまでなさらなくても……」 |
| ルリア |
「だめよ、兄様っ。そんなことをしたら、チョコをあげた私とスエレナに失礼でしょ」 |
| ハートレイ |
「?」 |
| ルリア |
「兄様を想って、兄様のためにそのチョコは作ったの。それなのに、テキスのあげちゃったらダメでしょ?」 |
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