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「だが、おれもお前さんにあんまり偉そうな事は言えんのだけどね」
「?」
「さっき話しただろう。おれがここに来た理由」
ほら、とヒュホラはお茶をクイントに渡す。
「ヒュホラさんは、なんであんなことをしたんです?」
ふうと息を吹き掛けながら、ずっとお茶をすすった。
「自由に──自由になりたかったのかもな」
「自由に?」
自由になりたかった。定められた自分の運命から逃れたかった。
このまま、生きている理由も分からず、戦のため、とその命を捧げさせられ、そうしてわけも分からないまま死んでいく未来なんて認めたくなかった。
だが、自分の父親も、そして周りの者たちも、そうやって定められた運命の中で命を失っていった。決して逃れられない運命の輪の中で。
どうせ同じように戦で死ぬのなら、思いっきり抵抗したかった。他の人ができないことをやって、少しでも自分がやりたいことをやって、そうしてから死にたかった。
「自由に…なれましたか?」
「いや──」
分からないんだ、とヒュホラは笑った。
正直言って分からないんだ、と。 |