3
そして四日目──。
「でも…どうしていつまでも地下室に入れておくの?あれじゃ、かわいそうだわ」
「だな」
二人の意見に、クイントは閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
朝食が終わったあと、タキトとアネットが、いつまでシスヤを地下室に入れておくのかと抗議を始めたのである。
居間で椅子に腰掛けクイントはじっと、二人の言葉に耳を傾けていた。反論をしようとはしない。だが、おもむろに口を開いたと思っても言うことは「だめだ」。
理由も言おうとはしないクイントに、二人はいらいらし始めていた。
「──いや…、まだだ」
「クイントッ」
「だめだ」
窓の外を見たまま口強に言い放つ。
アネットに対して、ここまで強硬な態度を保つクイントも珍しい。いつになくカリカリしているようだ。
そんなに神経を尖らせる必要がなぜある?そう考えて、タキトはふと思い当たることがあった。
(ひょっとしたら…)
思い合わせ、それと同時にぷっと吹き出した。
「──なあに?」
突然笑いだしたタキトに訝しげな視線を向ける。
「いや…悪い…」
タキトは笑い続ける。
ぶすっとしているクイントを見ると、ますます笑いがこみ上げてきて堪らない。
どこまでも不器用なのだ、こいつは。説明をすれば、アネットにも納得してもらえるのに。たった一言が言えずに、こいつは自分たちの反感を買っている。本当に不器用なやつなんだ。
「変なタキト」
「いやいや…」
タキトはスウと大きく深呼吸すると、クイントに顔を近づけた。
|