蒼穹への扉
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虹の彼方へ
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序章


(逃げてやる、逃げてやる。絶対に逃げてやるっ)
 少年はひたすら走りつづけた。
 後ろを追ってくる足音から逃れるために。少年は全力で走る。
 細い腕を必死でふり、絡みそうになる足を前に前に。
 息が苦しい。ぐっと空気を吸い込みながら後ろをかえりみた。
 真っ黒な暗闇の中、足音だけが聞こえる。自分を追ってくる足音が。
 このままずっと走り続けることなんて不可能だ。
 少年はとっさに木々の間に分け入り、そこで身を屈めた。手にはしっかりと銃を握り、じっとその場で足音が行き過ぎるのを待つ。

 どくんどくん。

 心臓が早鐘のようになる。
 息をひそめる。全身の震えを止めるために全身に力を入れる。
(逃げるんだ。絶対に。母さんに会うために。父さんに会うために。絶対に逃げきってやるんだ!)



 

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