蒼穹への扉
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序章
 

 遠い遠い昔の日の物語。
 人がまだ森と共にあったころのお話。
 とある山合いにある小さな村の東に深い森があった。
 その森の奥は神が住まう「神域」として、村の者たちが踏み入ることはなかった。
 人は決して入ることのできない森の最奥。
 そこにいったい何があるのか知る者は――誰もいない。
 
 シャランシャラン……
 静かに木の葉が揺れる。
 銀色に輝く大樹の傍らで、ひときわ強い光が現れた。
 光はふわりふわりと浮きながら、大樹の周りを回る。
 そうして、スウッと光を失った。

――また……迷い子か――

 低く大樹は呟いた。
 シャランシャラン…シャラ…

  はかなげな音が静かに響き渡る――。