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リクシュがいなくなってから何日が過ぎたであろう。
「どこに行ったっていうんだ?」
ルリアは静かに首を振った。
祭りの準備のときを境にして、来たばかりのころに比べれば、クイントの口数は徐々に増えていた。物のいい方も、少しずつではあるが柔らかくなってきている。
しかし、今のルリアにはクイントのそんな変化も、気づくことができぬほど落ち込んでいた。
今までにも、こんなことは何度かあったのは事実だ。
いつもフイッといなくなり、しばらくしてヒョイと帰ってきた。しかし、いつもリクシュは自分がどこへ行っていたのかはひと言も話してくれなかったし、ルリアもリクシュが自分から口にしないことを無理に聞こうとも思わなかった。
だが、今度は違う。今までとは違う気がするのだ。
今までは、いくら突然とはいえ、出かける前にそれとなく直接ルリアに声をかけていったのだ。「出掛けてくるよ」と──。
それが今回はなかった。
本当に突然だった。何の前触れもなく、リクシュは行ってしまった。行き先も、帰る日も告げずに…。
さらに、今回はリクシュが一番大切にしているはずの笛が残されていった。そしてその笛に添えられてあった言葉。それが、ルリアの不安をより一層大きいものにしていた。
クイントはそんなルリアを見て思わず呟く。
「リクシュのバカ」
おれはこんなルリア見たくないぞ、心のなかでリクシュに向かってぼやいた。
いつも元気なルリアが、こんなにも落ち込んでいる姿を見るのはどこかさびしかった。けれど、不器用なクイントには、どうすればルリアが笑ってくれるかわからない。 |