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「よかったわ。ピッタリね」
王妃はにこりと微笑んだ。優麗な雰囲気を湛えた顔が、笑みでさらに美しく見える。
「うんうん、すごく似合ってる」
王妃に似た明るい金髪の少女も満足そうに頷く。少し勝気そうな瞳を持つその少女は、王妃である母の手伝いを傍らでしながら、おおはしゃぎしている。
リクウェア国では今、一週間後に行われる夏まつりに向けて活気づいていた。そしてここ城内でも、まつりの支度に追われていた。
この国は決して裕福ではない。けれども人々は神に感謝する心を、そして何よりも遊び心は決して忘れることはなかった。年に一度のまつりは、それは盛大に行われている。国を挙げての一大イベントとなっていた。
別名「聖碧まつり」といわれているこのまつりは、そもそも国を守っているという女神を讃えるものであった。聖碧球という不思議な石を持つ女神が、その昔この国を救ったという伝説、そして、今なおこの国はその女神によって守られているのだと、人々は固く信じていた。
その女神に感謝の意を示し、平和を願うまつり――その日は、国から選ばれた一人の娘が女神に扮し、鮮やかに咲き乱れた作り物の花々で飾られた花車に乗せられ、町の大通りを練り歩くのだ。人々は互いに自慢の料理を、そして酒を振る舞い、大いに騒ぐ。
そのまつりを前にして、少女――ルリアは花車の準備を、そして、女神役に選ばれた今年のラッキーガールの衣装合わせを手伝っていた。
「こんなに素敵な衣装を、私などが着ていいのでしょうか」
少し複雑そうな顔をしている娘に対して、王妃はころころと笑った。
柔らかな薄い茶色がかった髪を今は、きゅっと上に結び上げ、邪魔にならないようにしていた。きれいな白い肌が、着せられた服の下からわずかにのぞいている。それがまた、青みがかった華やかな衣装を引き立てていた。
「スエレナはその資格が十分にあるから、女神役に選ばれたのですよ」
そう、今年の女神役はルリア付きの侍女であるスエレナが抜擢された。 |