蒼穹への扉
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タキト

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「虹の彼方へ」 タキト タキト紹介

『蒼き地球より…〜message〜」の外伝、『虹の彼方へ』に登場。
クイントとは幼馴染み。
両親は戦で幼い頃に亡くなっている。
その後、両親が残した家に一人住む。が、クイントの家にしばしば出入りしているため、事実上クイントの母がタキトの親代わりとなっている。
無口なクイントに対し、タキトはかなりおしゃべり。その場を盛り立てるムードメーカー。おちゃらけたことを言ってはいるが、それは周りの者たちに気を使っているからである。
アネットのよき相談相手でもあり、クイントのことで悩む彼女の悩みをよく聞いてやっていた。
『虹の彼方へ』以降の登場は現在のところ未定。


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 タキト's STORY

夢を見た。
どこまでも広がる草原におれは一人立っていた。
見たこともない緑がまぶしくて、空を仰ぐ。
空には柔らかな白い雲がゆったりと流れていて、真っ青な空に映えていた。
こんなにも空は澄んだものだったんだろうか。
こんなにも降り注ぐ太陽の光は優しかったのだろうか。

なんだか無性に悲しくなった。
なぜだかわからないけれど、泣きたくなった。
胸がいっぱいになって、目の前が霞んだ。
でも、おれは涙をぐいと呑み込む。
今はまだ泣くときではない。そう思ったから。
おれは今の自分が決して不幸だとは思わない。
確かにおれたちは決して恵まれているとは言えない。
裕福でもない。平和でもない。大切な人を失う悲しみも知っている。
けれど、確かにおれは今生きている。
だから、おれは自分が不幸だとは思わない。
生きていれば何だってできるんだ。そう信じているから。
おれが生まれた場所には、確かにこんなに豊かな緑はない。
澄んだ青空の下を思う存分走り回った記憶もない。
幼いからといって、「戦」から離れられるわけでもなく、己の身を守る術を教わる。
だが、そんな自分を不幸だと思ったことはない。
今まで一度たりとも。

裕福だったら、平和だったら、と考えることはある。
もしそうだったら、自分はもっと違う人生を歩んでいたかもしれないと。
でも、それは「今」の自分を否定することにつながる。
何よりも、今までおれが出会ってきた大切な人たちを否定することになる。
「今」のおれだからこそ、あった出会いがある。
大切な人たち。
生意気だけど、甘えん坊なシスヤ。
いつも優しく見守ってくれているニシアおばさん。
小さいときからおれたちの心の支えになってくれていた……アネット……
そして、不器用だけど、人の心の痛みがわかるおれのたった一人の親友クイント。
おれは心底思う。
みんなが本当に自分の幸せを求める世の中が来たらって。
自分の幸せを求めることが当たり前の時代がいつかきたらって。
――そうして、その時代を作るのは、おれたちなんだよな……。
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