遙か縁の土地めぐり



平維盛の歴史の里

それは友人と龍神温泉を訪れたときのこと。
せっかくだからとそこから高野山へ車で行くことになりました。
ところが,向かう途中道路脇に妙な看板を見つけてしまったのです。

「平維盛の里」

ナニゴト?
そんなものがあるの?
興味がわいた私たちは看板に従って脇道へ。
道はわかりやすかったのですが,とても細く,何よりも…道の途中途中に石が落ちてきていたりして。
私たちの車以外通る人もいません。

これは本当に進んでも大丈夫なの?
そんな不安を抱えながらも先に進む私たち。
やがて車は開けた場所へ。
周りは畑や田んぼで,人家も少なく,携帯もついにはつながらなくなった!(笑)
そこへ見えた「維盛歴史の里」の看板。

私たち以外人はいない。
でも,一応,「歴史の里」と言っているからには観光地…なのか??
駐車場に車を止めてとりあえず降りる私と友人。
何か,記念碑らしきものが立っています。

さらに立派なものが…。
どうやらこの丘の上に維盛の塚があるようです。

待って~!
塚には新しいお花が…!ってことは,このあたりに住んでいる人がきちんと欠かさずお花をお供えにきているってこと!?

少し離れた場所には,維盛の家来のお墓もひっそりとありました。

つまりこの里,維盛とその家来が落ち延びてきたという言い伝えがあるようです。
そして,ここで亡くなった,と。
これだけ丁寧に弔われているということは,里の人に慕われたのかしら…。

さて。近くにあった建物は資料館のようなんですが,人気はなく…。展示物もよくわからない状態だったので,これで本来の目的地・高野山に向かおうかと車に乗り込んだ私たち。
しかし,エンジンをかけた友人が焦りだして。

友人「サイドブレーキが動かない…」
私「えええええっ!?」

さっきまで普通に動いていたよね!?
さらに,外を見ると雪がちらつき始めました。

私「今って,4月だよね??」

あわあわあわ,となりだす私と友人。
と,次の瞬間,サイドブレーキががっくんと無事動き,車も動くようになりました。

ひょっとしたら久々に来た外部の人間を見て,維盛がもっとかまってくださいよ,ととどめようとしたのかもしれませんね。
ちょっと不思議な体験でした。


作品とのかかわり

作品には出てきません。

TOPへ